国際研究機関のSDSN(持続可能な開発ソリューション・ネットワーク)は6月24日、世界各国のSDGs(持続可能な開発目標)の達成状況をまとめた「サステナブル・ディベロップメント・レポート2025」を公表した。報告書は「2030年までに達成できそうな目標は一つもない」と指摘。日本は、世界167カ国中19位で、昨年からランクを一つ下げた。(オルタナ輪番編集長=吉田広子、編集協力=植松美海)

SDSNは2016年から、各国のSDGs達成状況を調査し、「サステナブル・ディベロップメント・レポート」を発行している。
2025年版は、紛争や構造的な脆弱性、財政難がSDGsの達成を阻害し、「2030年までに達成できそうな目標は一つもない」と厳しい現状を報告している。一方で、モバイル通信、電力、インターネットの普及や、5歳未満児の死亡率の改善など、基礎インフラや保健分野では一定の前進が見られた。
SDGs達成度ランキングでは、167 カ国中1位はフィンランド(スコア87.02)で、スウェーデン(スコア85.74)、デンマーク(スコア85.26)、ドイツ(スコア83.67)、フランス(スコア83.14)と続いた。
日本は、昨年から順位を一つ落とし、19位(スコア80.66)だった。
■ 最低評価の6目標、何が問題か
同報告書は、17目標ごとに「達成済み」「課題がある」「重大な課題がある」「深刻な課題がある」と、4段階で評価している。
日本は、目標2「飢餓をゼロに」、目標5「ジェンダー平等」、目標12「つくる責任 つかう責任」、目標13「気候変動対策」、目標14「海の環境保全」、目標15「陸の環境保全」の6つの目標で、最低評価となる「深刻な課題がある」だった。
それぞれの進捗と課題は次の通りだ。