記事のポイント
1. 音楽や食を通じて多様性を体感するイベント「Vita in Harmonia」が開催
2. プロの演奏家に加え、知的障がいのあるピアニストらも出演し、演奏を披露した
3. 「文化の担い手」として輝く姿を発信した
音楽や食を通じて多様性を体感するイベント「Vita in Harmonia(ヴィータ・イン・ハルモニア)」がこのほど、東京・広尾にある「La Salle F」(ラ・サール エフ)で開催された。全国で音楽を届ける「100万人のクラシックライブ」のプロの演奏家に加え、知的障がいのあるピアニストらも出演。会場には、障がいのある人たちが手掛けたアート作品や食事も並び、来場者は多様な人々が「文化の担い手」として活躍する姿に触れた。(PR)Passion Field Japan

演奏会は「言葉が通じなくても、音楽でコミュニケーションを取ることができる」という演奏家の呼びかけから始まった。出演したのは、バイオリニストの細川奈津子さん、ピアニストの熊井麗音さんと渡部雄太さん、サクソフォン奏者の野口紗矢香さんだ。
松任谷由実さんの「やさしさに包まれたなら」を皮切りに、ヴィヴァルディの「四季」から「春」、ミュージカル「キャッツ」の「メモリー」など、クラシックからポピュラー音楽まで幅広いジャンルの楽曲を演奏した。
会場には生演奏ならではの音色が広がった。自閉症と知的障がいのあるピアニストの渡部さんもプロの演奏家とともにステージに立ち、演奏を披露。人と人とのつながりや希望を感じさせる楽曲も多く、誰もが文化の担い手として活躍できる場を目指すイベントの趣旨とも重なった。

今回のイベントには、全国各地で生演奏を届ける一般財団法人100万人のクラシックライブ(東京・千代田)が協力した。同団体は、駅や商業施設、学校、福祉施設などさまざまな場所で演奏会を開き、音楽を通じた地域交流や社会参加の促進に取り組んでいる。

100万人のクラシックライブを創設した蓑田秀策代表理事は、「音楽を通じて、その場で人と人がつながることに意味がある。DEI(多様性・公平性・包摂性)は本来、特別なものではなく当たり前のこと。多様性は、知識として学ぶだけでなく、体験を通じて実感できるものだ」と語る。
「私たちは知らず知らずのうちに、自分たちで決めたルールによって人を区別してしまう。しかし、障がいの有無で人の価値が決まるわけではない。音楽には互いを感じ合い、共有し、人と人をつなぐ力がある。お互いを尊重しながら、社会の中で自然につながっていくことが大切だ」(蓑田代表理事)

来場者は、演奏会の後、障がいのある人たちが手掛けたアート作品や食事を楽しんだ。会場を彩ったのは、青葉仁会(奈良県奈良市)と共働学舎(東京・中野)の絵画作品だ。個性豊かな色彩や表現が来場者の目を引く。

共働学舎新得農場(北海道上川郡新得町)のチーズや、神谷ともいき農園(山梨県勝沼町)やウィズファーム(長野県松川町)のリンゴジュース、AOHショコラボ(神奈川県横浜市)のチョコレート、豊芯会(東京都豊島区)のピクルスなど、食事も振舞われた。

イベントを主催したPassion Field Japan(パッション・フィールド・ジャパン、東京・世田谷)の渡部淳代表は、日本農福連携協会の総務部長兼財務部長としても、農業と福祉を結び付ける「農福連携」の推進に取り組む。
渡部代表は、障がいのある人たちとかかわる中で、地域社会の中で十分に受け入れられていないと感じる場面があったという。
「地域社会とのつながりが生まれることで、『生きづらさ』を和らげることができる。だからこそ、多様性を受け入れる地域づくりが必要だと感じるようになった。『真のDEI』とは、一人ひとりが違いを認め合いながら、経済や社会、文化の営みに参加できること。音楽を聴くことや食事を楽しむことは、誰にとっても身近な日常の営みであり、そうした当たり前の場を共につくることで地域はより魅力的になる。多様な人々が文化の担い手であることを五感で感じてほしい」
さらに、「人口減少が進む地域においても、多様な人々が活躍することが地域の活力やイノベーションにつながる。さまざまな人が混ざり合い、情熱を持った人たちが集まる場につくっていきたい」と意気込んだ。
(PR)Passion Field Japan

