日本のGXスチールは「グリーン」と認められるか

記事のポイント


  1. 国際基準と適合しない「GXスチール」は、海外からグリーンと認められるか
  2. GXスチールは製鉄会社が実施した排出削減の実績を特定の鋼材に割り当てる
  3. 国際基準に適合しない鋼材は、取引や入札で不利になる可能性もある

日本独自の基準で環境価値があると認めた鉄鋼「GXスチール」は、海外から「グリーン」と認められるのか。製鉄会社が実施したCO2排出削減の実績を特定の鋼材に割り当てるGXスチールは国際基準から大きく逸脱する。国際基準に適合しない鋼材を調達すると、海外企業との取引や入札で不利になる可能性もある。(オルタナ輪番編集長=池田真隆)

気候変動対策に取り組む国際的な非営利組織Solutions for Our Climate(ソリューションズ・フォー・アワー・クライメート、SFOC)は10月27日、GXスチールに関するオンラインセミナーを開いた。「日本のグリーンスチールは欧州で『グリーン』と認められるのか」と題して、キングス・カレッジ・ロンドン(KCL)のニッコロ・リディ教授らが登壇した。

■GXスチールは「マスバランス方式」とも異なる

GXスチールは、製鉄会社が実施したCO2排出削減の実績を証書などで記録し、その環境価値を特定の鉄鋼製品に割り当てる仕組みだ。

KCLのニッコロ・リディ教授は、こうした仕組みをEU法の観点から検証した。製鉄会社が削減を実施し、第三者機関が検証したうえで、その削減量を別の製品に割り当てる方式は、物理的な素材の混合を伴う一般的な「マスバランス方式」とも異なる。

EUのCBAMや消費者保護法などの観点からGXスチールの問題点を指摘したKCLのニッコロ・リディ教授

マスバランス方式とは、製造や流通の過程で環境負荷の異なる原料・製品が混在しても、一定のルールに従って環境価値を配分する考え方だ。

リディ教授は、GXスチールの仕組みを、実質的には削減量の記録を製品に割り当てる「ブック・アンド・クレーム方式」に当たると整理した。これは、ある場所で実現した削減量を証書などで管理し、別の製品の環境価値として主張する考え方だ。

■証書による排出削減、EU法では違反になることも
■排出削減に合理性がないと優良誤認の恐れ
■日本独自基準のGXスチール「購入メリット少ない」
■GHGプロトコルが定める新ルールでの評価は
■製品の排出量と削減努力の評価は分けて考える

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M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナ輪番編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナ輪番編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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キーワード: #GXスチール#脱炭素

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