飛騨高山の価値創造千年物語(中畑 陽一)

世界遺産白川郷にほど近い日本が誇る観光地のひとつ飛騨高山。岐阜県の山奥にある人口10万人に満たない小さな町が輝いてきた理由。それは飛騨の匠や高山祭の祭り屋台、誰もが惹かれる風情を残す古い街並み、そして高いブランド力をもつ木工家具生産といった「木の民の文化」が多くの人の心を惹きつけてきたからです。

その独自性の高い文化は気の遠くなるような長い年月・歴史が創り上げてきた見えざる価値です。

しかし今、高山は新型コロナウイルスのまん延による観光客の激減で大きな危機の中にあります。年間470万人ものを観光客が訪れた町は見る影もありません。それだけではなく、人々の日常も脅かされています。高山は私自身の生まれ故郷です。

今こそその貴重な文化を多くの方に知っていただき、いつかコロナが収まった際に、愛するこの町に足を運んでいただければと思います。また、最後に現地での支援の動きを少しまとめましたので、少しでもご支援いただければ幸いです。

グローバル資本主義や都市型経済によって地方の活力や魅力が失われつつある今、長い時間をかけて熟成してきた無骨ながらも温かく、美しく、そしてどこか懐かしい高山らしさを守り育てることは、私たちの未来にも必要なことであると信じています。

価値創造のルーツは数千年前にあった

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中畑 陽一(オルタナ総研フェロー)

静岡県立大学国際関係学部在学時、イギリス留学で地域性・日常性の重要性に気づき、卒業後地元の飛騨高山でタウン誌編集や地域活性化活動等に従事。その後、デジタルハリウッド大学院に通う傍らNPO法人BeGood Cafeやgreenz.jpなどの活動に関わり、資本主義経済の課題を認識。上場企業向け情報開示支援専門の宝印刷株式会社でIR及びCSRディレクターを務め関東・東海地方中心に約70の企業の情報開示支援を行う。その後、中京地区での企業の価値創造の記録としての社史編集業務を経て、現在は太平洋工業株式会社経営企画部にてサステナビリティ経営を推進。中部SDGs推進センター・シニアプロデューサー。

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