サステナ経営塾2026:[人的資本経営とガバナンス]大喜多一範・Future Vision代表取締役/オルタナ総研フェロー講義

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記事のポイント


  1. 2026年の相次ぐ制度改定で経営戦略と人材戦略の連動が一層求められる
  2. 人的資本投資を短期的なコストではなく企業価値を高める投資と捉える
  3. 将来の成長可能性を示す人的資本の戦略的な開示が重要に

オルタナは10月14日、サステナ経営塾22期下期第1回を開いた。第3講には、Future Vision代表取締役でオルタナ総研フェローの大喜多一範氏が登壇し、「人的資本経営とガバナンス」をテーマに講義した。大喜多氏は、近年の人的資本開示に関する規制・指針の改定動向、経営戦略と人材戦略の連動手法、企業による先進的な財務価値化モデルについて解説した。

大喜多一範・Future Vision代表取締役/オルタナ総研フェロー

・持続可能な経営(サステナブル経営)の目的は、変化する事業環境のなかで企業を50年・100年と持続させることにある。従来の有形資産や財務情報(PLなど)は現在の健康状態を示すにすぎず、将来の持続的な成長を測るには、人的資本、社会関係資本、自然資本などの「無形資産(非財務・サステナビリティ財務情報)」に対する投資や取り組みの可視化が不可欠となっている。

・人的資本経営においては、「人材マネジメント」と「人的資本経営」の違いを理解することが重要だ。前者が人事制度の遵守や管理(コスト抑制)を目的とするのに対し、後者は経営戦略の裏付けとして人に投資し、未来の組織を担う人材を育てる経営視点の取り組みである。両者は対立するものではなく、社内の規律維持と成長投資の両輪として並行運用されるべきものである。

・2026年に入り、有価証券報告書(有報)の開示改定(2月)や「人的資本可視化指針」改定(3月)、コーポレートガバナンス・コード(CGコード)改定(7月)などが相次いだ。これにより、単に義務化された指標・数値のデータを集めるだけの対応から脱却し、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標・目標(4要素)に沿って「経営戦略と人材戦略の連動」を示すことが本質的な要求となっている。

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・人的資本投資の効果やロジック構築においては、自社のマテリアリティ(重要課題)に一度立ち戻り、経営戦略・事業戦略と紐づけることが実務上の鍵となる。先進企業(荏原製作所、NEC、丸井グループ、エーザイなど)の事例では、女性管理職比率向上や人への投資が将来のPBR向上や内部収益率(IRR)にどのように寄与するかを独自に数値化・モデル化し、財務価値への変換を試みている。

・開示の目的は法令対応や投資家へのアピール(PBR=株価純資産倍率、企業価値の向上)にとどまらない。非上場・中小企業も含め、「人を大切にする会社」としての姿勢や人的資本投資の方針を社内外へ明確に発信(インナーブランディング、リクルーティング)することで、優秀な人材の確保や組織OSのアップデートにつなげられると訴えた。

susbuin

サステナ経営塾

株式会社オルタナは2011年にサステナビリティ・CSRを学ぶ「CSR部員塾」を発足しました。その後、「サステナビリティ部員塾」に改称し、2023年度から「サステナ経営塾」として新たにスタートします。2011年以来、これまで延べ約700社900人の方に受講していただきました。上期はサステナビリティ/ESG初任者向けに基本的な知識を伝授します。下期はサステナビリティ/ESG実務担当者として必要な実践的知識やノウハウを伝授します。サステナ経営塾公式HPはこちら

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キーワード: #サステナ経営塾

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