気候危機に背向ける米国の姿勢、G20やCOPで鮮明

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)「1.5℃特別報告書」によると、「温暖化を1.5℃に食い止めるためには、二酸化炭素(CO2)排出量は、2030年までに2010年の水準から約45%減少させ、2050年に正味ゼロを達成する必要がある」と記されている。

トランプ米大統領は11月4日、パリ協定からの離脱を国連に正式に通告。2020年11月4日に離脱する。

2019年12月にマドリードで開催された国連の気候変動枠組み条約第25回締結国会議(COP25)では、地球温暖化対策の強化を求める文書を採択したが、CO2排出量世界2位の米国は対策強化に消極的な姿勢が目立ち、環境保護団体関係者からも批判の声があがった。

また排出量1位の中国、4位のインドも、温室効果ガスをこれまでに多く排出してきた先進国側の取り組み強化が優先されるべきとの立場をとり、対策強化に一線を画している。パリ協定の実効性に暗雲が立ち込めている。

低炭素経済への移行を推進する企業と投資家による団体「We Mean Business」のナイジェル・トッピングCEOは、10月に行われた気候変動イニシアティブ主催「気候変動アクション日本サミット2019」に登壇し、「石炭への投資は、国民に死を与えている」と警告した。近年の日本の台風の被害状況を見ても、トッピング氏の言葉は現実味を持つ。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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キーワード: #パリ協定

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