「政府案は不十分」、NGOが脱プラ法案を共同提言

NGOらの法案の基本理念には、事業者が回収にも責任を持つ「拡大生産者責任」や、有害化学物質による悪影響の発生を予防する「ポジティブリスト制」が盛り込まれている。それについてWWFジャパンの三沢氏は、こう説明する。

「現行では、生産者は委託料金を払えば責任を免除されるが、回収費用も含めて生産者が負担するようになれば、生産者が環境配慮設計をするインセンティブが強力に生まれる。また、人間の健康や生態系に悪影響が生ずる恐れのある有害化学物質は、ポジティブリスト制にしてしっかり管理しないと知らず知らずに我々人類や生態系が影響を受ける」

さらに、基本的施策にはデポジット制度もある。

デポジット制度とは、製品販売時にデポジット(保証金)を上乗せして販売し、使用後に容器などを返却するとデポジットが返金されるシステムだ。この制度は既に多くの国や地域で実施されているが、未実施の国々でもプラスチックによる海洋汚染を懸念し、近年盛んに導入を検討している。

市民法案の参加団体

共同提言したメンバー団体は、WWFジャパンのほか、OWS、グリーンピース・ジャパン、JEAN、全国川ごみネットワーク、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議、地球人間環境フォーラム、日本自然保護協会、日本消費者連盟、日本野鳥の会、パートナーシップオフィス、プラスチックフリージャパン、容器包装の3Rを進める全国ネットワーク、リアル・コンサベーションの14団体だ。

さらに、各地で活動している9の環境団体がこれに賛同している。

環境にやさしい暮らしを考える

栗岡 理子(編集委員)

1980年代からごみ問題に関心をもち、活動しています。子育て一段落後、持続可能な暮らしを研究するため、大学院修士課程に進学。2018年3月博士課程修了(経済学)。専門は環境経済学です。執筆記事一覧

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キーワード: #プラスチック

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