記事のポイント
- 最大震度7を記録した熊本地震では、九州の広い範囲で揺れを観測した
- 緊急支援に動き出すNPOなどが続々と寄付の受け付けを始めた
- 寄付には「支援金」と「義援金」があり、違いを知っておくことが重要だ
2026年7月28日に熊本県熊本地方を震源とする地震が発生し、熊本県宇城市氷川町で最大震度7を観測したほか、九州の広い範囲で強い揺れを観測した。被害状況の把握が進む中、災害支援の経験を持つ様々な団体が寄付の受け付けを開始した。寄付には「支援金」と「義援金」があるが、私たちの寄付はどのように活用されるのか。(公益財団法人日本非営利組織評価センター=浦邉智紀)
LINEヤフーは熊本地震が発生した7月28日、「Yahoo!ネット募金」で緊急支援の受け付けを始めた。熊本地震の緊急支援に取り組む複数の団体への寄付を特設ページ内で受け付け、合計寄付額は1億円を超えた。
そのうち、NPOの信頼性の証である「グッドギビングマーク」を取得済みの認証団体には5000万円超の寄付が集まっている。
グッドギビングマークは、NPOの信頼性を可視化した第三者評価だ。公益財団法人非営利組織評価センター(東京・港)が審査を行い、一定の信頼性や透明性を確認したNPOにこのマークを付与する。
■小回りが効く団体の支援なら「支援金」
災害が発生した被災地では、個人での物資の受け付けについて、「いまは控えてほしい」と呼び掛けるケースが少なくない。届いた物資を仕分けする必要があり、受け入れが難しいからだ。一方、寄付は「遠くにいても力になりたい」という支援者の思いを形にしたものだ。
ただし、寄付は大きく分けて2種類ある。災害が発生したばかりの緊急フェーズでは、「支援金」と「義援金」の違いを理解した上で寄付することが重要だ。
支援基は、被災地での救援活動や復旧・復興支援などに活用されるお金だ。支援団体を通じて、被災者支援や現地での活動に役立てられる。
過去に震災救援の経験がある非営利団体がいち早く活動を始めている。例えば、広島県の認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンは、同団体が運営する災害支援プロジェクト、空飛ぶ捜索医療団「ARROWS(アローズ)」の出動を決定した。
小回りが効く非営利団体は、行政や特別救助隊など公的支援の届きづらい細かな活動が得意だ。
赤い羽根共同募金(災害ボランティア・NPO活動サポート募金)や日本財団への寄付も、このような非営利団体の活動に生かされている。
寄付する際には、団体のウェブサイトなどから活動状況を調べることをお勧めする。寄付後の返金は原則として行われない。募集目的や団体の方針に基づき、残額は今後の災害支援や活動継続のために活用される場合がある。
寄付金を団体の運営費に充てることに疑問の声が出ることもある。しかしスタッフに適切な給与を支払い、盤石な事務局体制を整えることは今後の効率の良い活動支援につながるといえる。
■被災者に直接支援したいなら「義援金」
被災者一人ひとりへの金銭的支援を目的とする場合には、「義援金」が適している。「義援金」とは被災者に分配されるお金のことだ。
義援金を募集する団体は、ホームページなどで義援金の受付口座を公開し、配分委員会を設けて被災者に届けることを表明している。
義援金は基本的には被災地での救命・復旧活動には使われずに、被災者に届けられる。しかし、被災者数を把握し均等に分配するため、被災者に届くまで時間がかかることがある。
窓口には領収書の発行など業務負担がかかることもあり、義援金の送金はしばらく落ち着いてからでも良さそうだ。
このほか、「ふるさと納税」制度を通した寄付もある。被災者に届くものではなく自治体が使い道を決めることができ、地域復興に役立てられる。
それぞれのふるさと納税サイトで実施されており、災害救援のため返礼品はない。被災地にいま必要な支援を届けるために、寄付の使い道を調べてみることをお勧めしたい。



