記事のポイント
- 欧州企業の調査で、15万キロ走行後でも主要EVの電池容量は86~93%を維持した
- 同じ車種でも劣化度には差があり、車両ごとの測定が重要となる
- 米国では中古EVが新車より3割安く、販売が増加傾向に
電気自動車(EV)の走行距離が15万キロに達しても、バッテリーの容量が新品時の9割前後を維持する車種が多いことが、バッテリー診断を手がける欧州企業の調査で分かった。一般に抱かれているEV電池が「急速に劣化する」とのイメージが覆され、意外に長持ちすることが分かった。一方、同じ車種でも劣化には個体差があることも明らかになり、中古EV市場の拡大で、電池の残価を車両価格にどう反映するかが課題になりそうだ。(オルタナ副編集長=京正裕之)

オーストリア拠点のEV用バッテリー診断を手がけるAVILOO(アビルー)が、2022~2026年に実施した50万件超のバッテリーを分析した報告書を公表した。世界で販売台数の多いEV20車種を対象に、北米・南米、欧州、アジア、オーストラリアのデータを集計した。
調査では、充電時の「残量」ではなく、新車時のバッテリー容量を100%として、現在どれだけ蓄電能力を維持しているか示す「SoH(State of Health)」を調べた。
主要な5車種の調査では、15万キロ走行時のSoHの中央値は、韓国ヒョンデの「アイオニック5」が93.8%と最も高かった。独フォルクスワーゲン「ID.4」は90.9%、米テスラ「モデルY」は90.3%で、いずれも新品時の約9割を維持した。テスラ「モデル3」は89.0 %、日産「リーフ(ZE1)」は86.7%だった。
5万キロ時点では、アイオニック5が97.1%、ID.4が95.2%、モデルYが94.4%、モデル3が93.8%、リーフが91.2%だった。AVILOOのマーカス・ベルガーCEOは「EV電池は、急速に劣化するという通説よりも劣化の進み方は緩やかだ」と指摘する。
調査結果が公表された主要モデルには中国系ブランドは含まれていない。

■航続距離だけで測れないEVバッテリーの状態
■米国の中古EV、1~7月販売は16%増
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