オルタナ総研統合報告書レビュー(56):TOPPAN

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記事のポイント


  1. TOPPANの事業ポートフォリオ改革は、印刷事業からデジタル分野への人財シフトを伴う
  2. CEOは、「現状維持は衰退の始まり」という強い危機感を常に抱いている
  3. 人財戦略は、将来の事業ポートフォリオに貢献できる人財の育成が要諦だ

TOPPANグループは2019年6月の麿秀晴社長CEO就任以来、事業ポートフォリオ改革を進めています。その背景には、紙メディアからデジタルメディアへの転換による、主力の印刷需要の長期的な減少があります。既存事業の営業体制や製造拠点の統廃合を行う一方で、成長市場であるデジタル分野には、既存印刷事業から積極的に人財をシフトしました。成長領域と位置づけているエレクトロニクス事業の半導体関連ビジネスでは、設備投資を着実に進めています。(オルタナ総研フェロー=室井孝之)

TOPPAN統合レポート2025

同グループの収益を長年支えてきたペーパーメディアの需要は、インターネットや電子書籍の普及、企業の広告宣伝費のデジタルシフトにより、1990年代をピークに減少を続けています。

2023年10月TOPPANグループは、グループシナジーの最大化、経営資源の最適配分、意思決定の迅速化を目的として、ホールディングス体制へ移行しました。

その後、ホールディングス傘下であるTOPPAN、TOPPANエッジ、TOPPANデジタルの3社は2026年4月に統合されました。

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TOPPAN統合レポート2025のトップメッセージ「持続的成長へ向けた事業ポートフォリオ変革」の中で、麿社長CEOは次のように語っています。

1.「私が事業ポートフォリオの変革に取り組むのは、『現状維持は衰退の始まりである』という強い危機感を常に抱いているからだ。だからこそ、TOPPANグループの収益を長年支えてきたペーパーメディアの需要が縮小するなか、情報コミュニケーション事業の改革には最も注力しなければならない。特に成長市場であるデジタル分野には、これまで以上に既存印刷事業から積極的に人財をシフトしていく」

2.「国内中心だった事業構造を、海外中心へと大きく転換していく必要がある。先行して展開するのが『セキュアビジネス』であり、世界的に身分証明や決済といった社会インフラのデジタル化ニーズが高まるなかで、国内で長年培ってきたセキュリティ技術やノウハウは、海外でも大きな競争優位性を持つ」

3.「成長領域と位置づけているエレクトロニクス事業の半導体関連ビジネスでは、大型・高多層といったハイエンド領域に焦点をあて、難易度の高い要求に応えるための製品開発・製造技術力の確立を目指し、次世代半導体パッケージの投資も計画している」

TOPPAN統合レポート2025のトップメッセージ「持続的成長へ向けた事業ポートフォリオ変革」

同メッセージ「将来の事業ポートフォリオを見据えた人財戦略」では、「現在行っている各種研修プログラムが、単なるスキル習得の場で終わるのではなく、TOPPANグループが掲げる将来の事業ポートフォリオにどのように貢献できる人財を育成するのかという視点を反映させることを重要視している」と述べています。

次回統合レポートでは、「将来の事業ポートフォリオにどのように貢献できる人財を育成するのか」の具体的な成果を開示されてはいかがでしょうか。

muroi@alterna.co.jp

室井 孝之(オルタナ総研フェロー)

1975年4月~2017年11月、味の素株式会社勤務。同社では、CSR・人事・労務・総務・監査・法人運営などに従事。CSRでは、CSRニュース、組織浸透、DJSIなどのESG投資指標、東北復興などを担当した。2014年、日本食品業界初のダウ・ジョーンズ・ワールド・インデックス選定時にプロジェクト・リーダーを務めた。2017年12月からオルタナ総研コンサルタント、21年1月からオルタナ総研フェロー。1975年上智大学文学部英文学科卒。オルタナ総研では、サステナビリティ全般のコンサルティングを担当。

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キーワード: #CSR#ESG

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