フロリダなど16州がデロイトなど4社に圧力、トランプ「反ESG」を後押し

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記事のポイント


  1. 米共和党系16州の司法長官が大手4会計事務所に気候開示関連で警告した
  2. ISSBやTCFD支援が独立性の義務や州法に違反する懸念を指摘した
  3. トランプ政権の反ESGの動きだが、投資家は気候リスクを一層注視している

米国の共和党系16州が、デロイトトーマツ、アーンスト・アンド・ヤング(EY)、PwC、KPMGの大手会計事務所4社(ビッグ4)に圧力をかけている。16州の司法長官は2026年8月24日、ビッグ4がこれまで気候関連の情報開示を推進する取り組みに関与してきたことを問題視し、独立性の義務や州法に違反する可能性があると警告する書簡を送った。国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)などの枠組みが企業の負担を増やしているとも主張する。(オルタナ輪番編集長=北村佳代子)

共和党系16州が、反ESGの一環で大手会計コンサル4社に
圧力をかけている

フロリダ州など、共和党への支持が強い16州の司法長官は、連名で、大手会計事務所(ビッグ4)に圧力をかけている。

書簡にサインをしたのは、ネブラスカ州・テキサス州・フロリダ州・アラスカ州・アラバマ州・アーカンソー州・アイダホ州・アイオワ州・ミシシッピ州・モンタナ州・ノースダコタ州・オハイオ州・オクラホマ州・サウスカロライナ州・サウスダコタ州・ウェストバージニア州の司法長官らだ。

ビッグ4が、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)やネットゼロ・金融サービスプロバイダー同盟(NZFSPA、すでに解散済み)などの気候開示イニシアティブに関与している点を問題視した。

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また、2023年のCOP28(気候変動枠組み条約第28回締約国会議)で、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の気候関連報告の推進を支持する宣言に、ビッグ4が署名したことも問題視した。

司法長官らは、ビッグ4によるこれら気候フレームワークへの関与や開示の推進が、会計・監査機関としての独立性や客観性の義務に抵触する恐れがあると指摘。気候開示の義務化・推進によって、企業の負担が増え、それが監査・コンサルティング料として会計事務所側の利益に繋がる構造は、利益相反を生み出しているとも主張した。

また不当・欺瞞的取引行為を禁じる州法や、行政契約の条項に違反する可能性にも言及し、罰金や契約解除となる可能性も示した。

なお、これら16州の司法長官は、2025年11月には、米国企業に対して、EUのサステナビリティ報告規則に遵守しないよう、警告もしている。

米国ではトランプ政権下で反ESGの政策方針が根強く推進されてきた。米証券取引委員会(SEC)は、2024年に制定した気候関連開示規制を全面的に撤回することを提案するなど、気候関連の情報開示に対する反発も強めている。

■投資家は「気候の物理的リスクを注視」

しかし、視点を投資家目線に移すと、気候関連の情報開示の重要性はむしろ増している。

蘭資産運用会社ロベコは2026年8月、10月に公開予定の「ロベコ世界気候投資調査(2026)」の概要をメディア向けに説明した。その中で、グローバル投資家の約6割が、今後5年間で、物理的な気候リスクが高まりを背景に投資プロセスを見直すとしている。

ロベコでサステナブル投資ソートリーダーシップの責任者を務めるルキアン・ペブルンボス気候・生物多様性ストラテジストは、「物理的な気候リスクは、直近数年という短期で見ても発生し得る重要なファクターだ、と多くの投資家が捉えている」と話す。

「投資家にとっては、移行はリスクであると同時に投資機会でもある。そのためにも、企業がどのような気候移行計画を持っているのかや、その信頼性を評価することの重要性は高まっている」(同)

北村(宮子)佳代子(オルタナ輪番編集長)

北村(宮子)佳代子(オルタナ輪番編集長)

オルタナ輪番編集長。アヴニール・ワークス株式会社代表取締役。伊藤忠商事、IIJ、ソニー、ソニーフィナンシャルで、主としてIR・広報を経験後、独立。上場企業のアニュアルレポートや統合報告書などで数多くのトップインタビューを執筆。英国CMI認定サステナビリティ(CSR)プラクティショナー。2023年からオルタナ編集部、2024年1月からオルタナ副編集長。

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