記事のポイント
- 米中間選挙で民主党が圧勝し、28州の知事が民主党になることが確実に
- 新たに5州が、知事・上院・下院のすべてで民主党が優勢なトリフェクタに
- 「州レベルで再エネの拡大はさらに進む」と前ワシントン州知事
11月3日に実施された米中間選挙では、民主党が上院・下院とも過半数を制し、トランプ大統領率いる共和党は大敗を喫した。これにより、米国50州のうち、11月5日時点で28州の知事が民主党の知事(カンザス、アラスカは開票結果待ち)となる。米紙報道によると、民主党は新たに少なくとも5州で、知事職・上院・下院ともに優勢となる「トリフェクタ」となり、少なくとも4州でこれまでの共和党のトリフェクタを崩した。ジェイ・インスレー前ワシントン州知事は「州レベルで再エネの拡大はさらに進む」と強調した。(オルタナ輪番編集長=北村佳代子)

第2次トランプ政権の通信簿とも言われる米中間選挙の結果がわかり、民主党が上院・下院を奪還するなど、トランプ政権は大敗北を喫した。
米マサチューセッツ工科大学の科学者と学生が設立した非営利シンクタンク「憂慮する科学者同盟」で気候変動プログラムディレクターを務めるレイチェル・クリータス氏は、オルタナの取材に対し、次のようにコメントした。
「米国民は、イランへの戦争やクリーンエネルギーへの攻撃など、トランプ政権による破壊的で腐敗した行動を断固として拒否する声を上げた。トランプ政権の行動は、一般市民の負担を増大させ、化石燃料汚染者の利益を増大させてきた。窮地に立たされたトランプ政権が、権威主義的なやり方をさらに強め、世界の気候変動対策の進展や多国間連携を混乱させ続ける現実的なリスクはあるが、議会は今、この無謀な政権を抑制し、国内外で責任を追及する権限と責任を手にした」
「クリーンエネルギーの進展は米国で今後も続く。それはエネルギーコストの削減と、化石燃料危機から経済を守るための最善の道だからだ。しかしそのスピードは、反科学的なトランプ政権が権力を握っている限り、残念ながら十分な速さで進展する可能性は低い」
■クリーンエネルギーは価格・気候面で「一石二鳥」
前ワシントン州知事のジェイ・インスリーは11月4日(日本時間11月5日未明)、米中間選挙の結果を受けて国際戦略コミュニケーション評議会(GSCC)が主催した記者会見に登壇し、「気候変動を否定する大統領に対して、歴史的なレベルでの拒絶が示された」と語った。
「今回の選挙は、手頃な価格で、よりクリーンなエネルギーを必要とする争いだったとも言える。化石燃料価格を引き上げ、米国人が風力・太陽光、EV、バッテリーといった、より安価でクリーンなエネルギー源にアクセスすることを、抑圧・妨害しようとした男の狂気ともいえる政策に対し、国中が立ち上がり、拒絶した」
インスリー前知事は、民主党が進めるクリーンエネルギー施策は、気候変動を食い止めるだけでなく、市民がより安価なエネルギー源にアクセスできる手段でもある一石二鳥の施策だと強調する。
「トランプ大統領の政策が米国と世界にもたらしたもの、すなわち、イランでの戦争や貿易政策、クリーンエネルギーへのアクセス阻止といった試みに、米国人は心底うんざりしている。(選挙結果によって)米国の進路が変わり、再びリーダーシップを発揮して、米国と世界のためにクリーンエネルギー経済を構築し、気候変動に対して効果的にたたかうことが可能になると信じている」(インスリー前知事)
「全米で30人近くに達した民主党選出の州知事の一人ひとりが、クリーンエネルギー開発のエンジンとなる。連邦政府の動きだけでなく、ミシガン、オハイオ、メイン、ウィスコンシン州などから生まれる進展にも注目してほしい。議会を待たずとも、これらの州がエネルギーのイノベーションを進めていくだろう」(同)
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