2020年の難民認定47人、NGOが制度の改善訴え

「難民の保護と難民問題の解決策への継続的な取り組みに関する決議」(※8)が国会にて全会一致で採択されてから、今年で10年となります。決議が述べる「国内における包括的な庇護制度の確立」にあたっては、上記の課題の解消に加え、難民の保護や権利保障を目的とした難民保護法の制定も必要です。難民支援協会は、日本に逃れた難民が、安心して暮らすことができる法制度の実現に向けた活動を今後も続けていきます。

※1 例えば、1982年の難民認定制度開始以来、日本で難民認定されたトルコ出身者は1人もいません。しかし、2019年だけを見ても、ドイツでは5,232人(難民認定率33.8%)、カナダでは2,011人(同73.7%)、アメリカでは1,400人(同41.3%)のトルコ出身者が難民認定されています(UNHCR “Refugee Data Finder” 、難民研究フォーラム 研究会「難民の送還:収容・送還に関する専門部会の議論から考える」資料集内 全国難民弁護団連絡会議「日本において難民認定申請数が多い10カ国に係る主要庇護国での庇護状況」より)

※2 難民研究フォーラム「難民認定申請者に対する面接の実施方法 各国比較」

※3 第7次出入国管理政策懇談会 報告書「今後の出入国在留管理行政の在り方」

※4 前掲注3。

※5 朝日新聞「迫害、脱出、流浪27年…たどり着いた日本で見えた希望」

※6 難民申請を行うと、その申請内容により、A~D案件への振分けが行われる。Aは「難民もしくは人道上の配慮を要する可能性が高い」とされた案件。Bは「難民条約上の迫害事由に明らかに該当しない」とされた案件。Cは「再申請で、正当な理由なく前回と同様の主張を繰り返している」とされた案件。Dはその他の案件。2020年に振り分けが行われた案件のうち、それぞれ1.1%、1.9%、9.7%、87.3%を占めていた。

※7 難民支援協会「難民・難民申請者を送還するということ」

※8 第179回国会衆議院決議第2号(2011年11月17日可決)、参議院決議第1号(2011年11月21日可決)

yoshida

吉田 広子(オルタナ副編集長)

大学卒業後、米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。日本に帰国後の2007年10月、株式会社オルタナ入社。2011年~副編集長。執筆記事一覧

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キーワード: #SDGs

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