記事のポイント
- 調査で20代会社員の約6割が勤務先の理念を「知らない・説明できない」と回答
- 理念を仕事に結びつけて伝えられる人ほど、判断基準にできていることも分かった
- 理念を判断基準にできる層の8割超が、働きがいを実感していると答えた
世界約170カ国で「働きがいのある会社」を調査・分析する、働きがいのある会社研究所 (東京・港)は、20代会社員を対象に、企業理念の浸透と働きがいに関する調査を実施した。約6割が勤務先の理念を「知らない・説明できない」と回答する一方、上司や経営層が理念を仕事に結びつけて伝えている層ほど、理念を判断基準にできていた。さらに、理念を判断基準にできている層の8割超が働きがいを感じ、できていない層との差は51.4ポイントに上った。(オルタナ編集部・川原莉奈)

深刻な人手不足が続く中、多くの企業が若手社員の定着を目指し、労働環境や待遇の改善に注力している。しかし、若手自身が自社の目指す方向性や、自らの仕事の意味をどの程度理解しているかという視点は、十分に検証されていない。
こうした課題意識から実施された今回の調査では、20代会社員の38.2%が自社の理念・価値観を「聞いたことがない」と回答した。「聞いたことはあるが、内容はあまり説明できない」とした19.7%を合わせると57.9%に上り、約6割が理念・価値観を十分に理解していない実態が明らかになった。

また、理念・価値観を理解している層でも、33.8%が仕事で迷った際の判断基準にはできていなかった。一方、経営層や上司が理念・価値観を日々の仕事や意思決定に結びつけて伝えていると感じる層では、76.5%が理念を判断基準にできていた。伝えられていないと感じる層では11.0%にとどまり、65.5ポイントもの差が生じた。
さらに、理念・価値観を業務の判断基準にできている層は、働きがいを「感じている」と回答した割合が83.6%に達したのに対し、できていない層では32.2%にとどまり、51.4ポイントの差が生じた。今後の就業継続意向についても、判断基準にできている層は79.1%に達したのに対し、できていない層は40.8%にとどまり、38.3ポイントの差が生じた。
調査結果からは、理念を掲げるだけでなく、経営層や上司が日々の業務や意思決定の中で理念と具体的な判断を結びつけて示すことの重要性がうかがえる。理念を「掲げるもの」から「仕事の判断に使うもの」へと落とし込むことも、若手社員が仕事に意味を見いだし、働き続けたいと思える環境づくりの一つの要素となりそうだ。
【調査概要】
調査期間:2026年7月31日~8月1日
調査方法:インターネット調査
調査対象:20代の会社員
調査人数:330名 モニター提供元:RCリサーチデータ



