記事のポイント
- 米国のEVシェアは6.5%と2026年で最高、中古市場でも過去最高に
- ブラジルではBYDの小型EVがガソリン車などを含む全車種で3位に
- メキシコはEV比率1.9%、電動化の中心は依然としてHV
米州の主要3カ国(米国、ブラジル、メキシコ)の2026年9月の電気自動車(EV=BEV)市場のうち、米国ではEVの新車販売比率が今年最高の6.5%となった。昨年の税制優遇措置の終了で減速していた市場が回復基調にある。ブラジルでは中国・BYDの小型EV「ドルフィン・ミニ」がガソリン車を含む全車種の販売ランキングで3位に入った。一方、メキシコのEV販売比率は1.9%にとどまり、ハイブリッド車(HV)が依然優勢だ。(オルタナ副編集長=京正裕之)

■米国、EVシェアは今年最高の6.5%に
米調査会社コックス・オートモーティブによると、米国の9月のEV新車販売は8万6632台だった。前年同月比では40.7%減ったものの、新車市場に占めるEV比率は6.5%となり、2026年で最も高い水準となった。昨年9月は、連邦政府のEV税額控除の終了を前に駆け込み需要が集中し、EV販売が14万6076台(シェア11.5%)まで膨らんでいた。
足元では前年同月比では依然として大幅減だが、税額控除終了後の急激な落ち込みからは回復傾向にある。7~9月のEV販売は26万2649台と、前四半期(4~6月)比で6.1%増えて過去1年間で最も多かった。
EV比率も4~6月の5.8%から6.4%に上昇した。コックスは「市場が再び足場を固めつつある」と分析する。魅力的な新型EVの投入に加え、ガソリン価格が1ガロン(約3.8リットル)当たり4ドル(約630円)を超える現状も追い風になっているという。
9月には新車EVの在庫日数も68日まで低下し、ガソリン車などの78日を下回った。中古EV販売も前年同月比21.2%増の4万7862台となり、中古車市場に占めるEV比率は過去最高の3.3%となった。補助金に支えられて新車市場が優勢だった昨年のEV市場だが、今年は中古流通を含めた市場形成へと移行しつつある。
ブランド別では、新車EV販売はテスラが4万8367台で首位を維持し、EV市場の55.8%を占めた。米リビアンが6737台、米キャデラックが4655台、トヨタ自動車が3909台、韓国の起亜が3654台で続いた。テスラは再び米EV市場の半数超を握っている。
■ブラジル、BYD小型EVが全車種で初の3位
ブラジル電気自動車協会(ABVE)によると、9月のEV新車登録は前年同月比2.7倍の2万2246台だった。過去最高だった8月の2万7166台からは減ったものの、過去3番目の高水準だった。新車市場全体に占めるEV比率は8.3%となった。
ブラジル市場の変化を象徴するのがBYDの存在だ。全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)の9月登録データによると、BYDは2万2218台で、フィアット、フォルクスワーゲン、シボレーに次ぐ4位だった、韓国の現代自動車やトヨタを上回った。中国・長城汽車(GWM)も8964台で10位に入った。
車種別では、BYDの小型EV「ドルフィン・ミニ」が9385台を販売し、EVだけでなくガソリン車などを含む乗用車・小型商用車の全モデルで3位となった。同車種は、中国ではシーガル、東南アジアではATTO1として売られている。
BYDの発表によると、EVモデルがブラジルの全新車モデルでトップ3に入るのは初めてだという。
ブラジルの1~9月のEV販売は、前年同期比3.1倍の16万5820台となった。中国メーカーの存在感の拡大とともに、EVの大衆車化が急速に進んでいる。

■メキシコ、EVよりHVが電動車市場をけん引
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