サステナ経営塾2026:[NECの自然資本/生物多様性戦略とTNFD]岡野豊・NECサプライチェーンサステナビリティ経営統括部事業化推進グループディレクター講義

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記事のポイント


  1. 自然資本のリスク・機会を経営戦略に組み込む重要性が高まる
  2. NECは生成AIで水リスクを分析し、開示と自社実践を両立している
  3. ITを活用し、自然再生と事業成長を両立するモデルを目指す

オルタナは10月14日、サステナ経営塾22期下期第1回を開いた。第4講には、NECサプライチェーンサステナビリティ経営統括部事業化推進グループディレクター 兼 ニュートラルビジネス推進PMOグループ シニアプロフェッショナルを務める岡野豊氏が登壇し、「企業事例:NECの自然資本/生物多様性戦略とTNFD」をテーマに講義した。岡野氏は、自身が携わった岡山県西粟倉村での地域起業の経験も交え、自然資本を取り巻く世界的潮流とNECにおける先進的な取り組みを語った。

岡野豊・NECサプライチェーンサステナビリティ経営統括部事業化推進グループディレクター

・自然資本(水・土・鉱物などの物理環境、動植物、川・森・海などの生態系)は社会・経済活動全体の不可欠な土台であり、気候変動と並び地球規模のリスクとして世界的な認識が高まっている。企業活動がどのような自然資本に直接・間接的に依存し、影響を与えているかを正しく把握することが、事業の継続性や中長期の企業価値向上を握る鍵となる。

・NECはIT業界として世界に先駆けてTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)レポートを発行し、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や海外投資家からも高い評価を得ている。同評価の背景には、リスク管理のみならず「事業機会」の特定に踏み込んでいる点がある。自然資本のリスク評価は地域特性(水インフラ、周辺コミュニティの夏場水使用状況など)に大きく左右されるため、同社では最先端の「Agentic AI」を導入。水文・気象、インフラ、地域コミュニティなどの専門AIエージェントを組み合わせた「マネージャーAI」チームを立ち上げ、世界数千拠点の水リスクや依存関係を専門家レベルで多角的に自動解析・評価する体制を構築した。

・同社は自社でデジタル技術を活用して実践する「環境クライアント・ゼロ戦略」の立場を徹底している。自社のデータセンター運用やサプライチェーンで得たノウハウ、農業ICT、PLM(製品ライフサイクル管理)ソリューション「Obbligato(オブリガード)」、マテリアルズ・インフォマティクス技術、プラスチック情報流通プラットフォーム「PLA-NETJ」などを、他業界(アパレル・食品・飲料・製薬など)の農地・調達先における自然影響開示やトレーサビリティの課題解決ソリューションとして提供し、事業機会へ昇華させている。

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・岡野氏自身が岡山県西粟倉村で携わっている「エーゼログループ自然資本事業部」でのローカルビジネス事例(「森のうなぎ」事業など)も紹介した。林業の製材過程で生まれる端材をボイラーで活用した陸上養殖や、増えすぎた野生シカの食肉販売や鹿革利用(「シブヤカバン」との連携など)、草木染め(「SOMEYA」)など、未利用資源を循環させる取り組みを解説した。岡野氏は、自然資本への取り組みを開示や保全活動だけで終わらせず、本業やバリューチェーンとつなげて、「自然の循環の中にビジネスを置き、儲かれば儲かるほど環境が良くなるモデルを創出していく」ことの大切さを強調した。

susbuin

サステナ経営塾

株式会社オルタナは2011年にサステナビリティ・CSRを学ぶ「CSR部員塾」を発足しました。その後、「サステナビリティ部員塾」に改称し、2023年度から「サステナ経営塾」として新たにスタートします。2011年以来、これまで延べ約700社900人の方に受講していただきました。上期はサステナビリティ/ESG初任者向けに基本的な知識を伝授します。下期はサステナビリティ/ESG実務担当者として必要な実践的知識やノウハウを伝授します。サステナ経営塾公式HPはこちら

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キーワード: #サステナ経営塾

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