ようやくトランプ暴走にブレーキ、金融市場はいよいよ大逆回転か

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記事のポイント


  1. 米中間選挙で共和党が大敗し、今後はトランプ暴走にブレーキがかかる
  2. 金融マーケットでは早くも半導体はじめテック関連株が下げている
  3. 巨大データセンターの建設反対の動きからノンバンク融資にも暗雲が

米中間選挙で共和党が大敗し、今後はトランプ暴走にブレーキがかかることになる。金融マーケットでは早くも、半導体はじめテック関連銘柄の株価が下げている。巨大データセンターの建設反対の動きは、ノンバンク融資にも暗雲がかかることになる。(澤上 篤人・さわかみホールディングス社長)

トランプ暴走にブレーキがかかると金融市場はいよいよ大逆回転か

11月3日の米国中間選挙でトランプ共和党が大敗し、民主党が上院下院とも多数派となった。その結果、今後はいかに強大な権力をもつ米国大統領といえども、国内の政治案件の多くで議会の承認が必要となってくる。いわゆるトランプ暴走にブレーキがかかるわけだ。

といっても、米国議会の活動開始は来年の1月から。それまで、ここから年末にかけて民主党の主張を無視してでもトランプ政治をゴリ押しするのか?あるいは、トランプ政権内部から有力閣僚の離反が顕著となっていくのか。メディアにとっては恰好の報道材料が目白押しとなっていこう。

政治の世界が大揺れとなっていくのを待てないのが金融マーケット。民主党が米国議会の過半を握ったことで、AI投資ブームにもブレーキがかかるだろうという憶測で、早くも半導体はじめテック関連企業の株価が大きく下げている。日本の株価も暴下げしており、11月6日10時40分現在、日経平均株価は4000円を超す下げとなっている。7万円の高値からみると、18%強の下げである。

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■ノンバンク融資に暗雲が

株式市場の横でも黄信号が灯ることになろう。これまで、トランプ大統領になびいた巨大テック企業への反発もあり、巨大データセンター建設に反対の動きも全米各地で高まってこよう。

それは、プライベートクレジットとかプライベートエクイティといわれてきたノンバンク融資にもブレーキとなってくる。先般、米国のコアウィーブ社の資金繰り不安で一時的ながら世界の金融マーケットに緊張感が走った。あの大型版が襲ってくる可能性が大なのだ。

世界の生保など金融機関や富裕層マネーが、より高い利回りを求めていわゆる投資ファンドに資金を投入したり、低格付けの債券などに買い群がってきた。それらを総称してノンバンク融資というが、かなり前から銀行融資額を大きく上回る存在となってきている。

銀行融資は各国の金融当局の監視下にあるから、一応は安心できる。ところが、ノンバンク融資は銀行規制などから野放しの状態で拡大に次ぐ拡大を続けてきた。

そういったプライベートクレジットとかプライベートエクイティと呼ばれるノンバンク資金は、より高い利回りを求めてリスク投資に群がってきている。ここまでは世界的なカネ余りバブルとかAIブームとかに乗って、リスクを無視した投資案件にも飛びついていっていた。

ところが、米国中間選挙の結果をみてノンバンク融資の間で緊張感が高まってきたのは間違いない。たとえば、巨大データセンター建設にブレーキがかかると、期待していた投資リターンの計算に狂いが出てくる。予定していた利回りに届かないとなれば、投資ファンドなどへの融資や投資を引き上げようといった動きが出てくる。また、高利回りを謳ってきたジャンク債などにも償還不安が高まる

そういった現金化を急ぐ動きが出だしてくると、債券の流通利回り、つまり市場の金利は一気に上昇する。

市場金利の上昇は金融マーケットが荒れだすと、どんどん上昇スピードを上げる。なにしろ、リスクの意識を高めた投資家たちが保有しているジャンク債を急いで売ったりするのは自由で、誰も止められないのだから。

sawakami

澤上 篤人(さわかみホールディングス社長)

さわかみホールディングス社長。1973年、ジュネーブ大学付属国際問題研究所国際経済学修士課程履修。1980年─1996年、ピクテジャパン(現・ピクテ投信)代表。1999年に日本初の独立系投資信託会社さわかみ投信設立。

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