「ポルシェ」の普遍的な魅力、 「アウトサイドイン」が高める

記事のポイント


  1. ポルシェは最高峰のスポーツカーと言われ、世界中にファンを持つ
  2. その誕生は1964年と半世紀以上前だが、実は社会課題起点で生まれた
  3. 時代を超えて人々を魅了する普遍的な魅力の正体とは

世界中のクルマ好きを魅了し続ける「ポルシェ」。その代名詞であり、誰もが知る最高峰のスポーツカーが「ポルシェ911」だ。誕生から半世紀以上が経過した今もなお、時代を超えて人々を惹きつけるが、その普遍的な魅力の要因は、「アウトサイドイン(社会課題起点のビジネス創出)」にある。(自動車ジャーナリスト=清水和夫)

社会課題起点で生まれた「ポルシェ」

ポルシェがなぜ世界中にファンを持つのか。その答えを紐解くには、1964年に誕生した初代911、そしてさらにその原点へと時計の針を戻す必要がある。

911の最大の特徴といえば、車体後部にエンジンを積み、後輪を駆動する「リアエンジン・リアドライブ(RR)」というユニークなレイアウトだ。現代のスポーツカー市場を見渡しても、ミッドシップやフロントエンジンが主流となる中で、ポルシェは頑なにRRにこだわり、それを熟成させてきた。

だが驚くべきことに、この稀代のスポーツカーの骨格となった原型は、かつてドイツの国民車として開発された「フォルクスワーゲン・ビートル」だったのである。

ここで大きなテーマとなるのが「アウトサイド・イン・アプローチ」という考え方だ。これは、社会課題や市場のニーズを起点として、企業の目標や活動、製品の開発を決めていく思考法を指す。

歴史を振り返れば、戦前のドイツは世界恐慌の余波による深刻な不況に喘いでいた。貧困に苦しむ国民に自由に移動できる手段を提供し、経済を活性化させること、これこそが当時のドイツにおける最大の社会課題であった。

この課題解決に向けて立ち上がったのが、時の権力者アドルフ・ヒトラーであり、彼がその開発を全幅の信頼とともに依頼したのが、自他ともに認める「奇人天才」のエンジニア、フェルディナント・ポルシェ博士であった。

社会課題の先に「本質」が

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shimizukazuo

清水 和夫(自動車ジャーナリスト)

武蔵工業大学電子通信工学卒、1981年からプロのレースドライバーに転向、1988年本格的なジャーナリスト活動開始、日本自動車ジャーナリスト協会会員(AJAJ)、日本科学技術ジャーナリスト会議会員(JASTJ)、著書・共著に『クルマ安全学のすすめ』『燃料電池とはなにか』『ITSの思想』『ディーゼルこそが、地球を救う』などがある。

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