記事のポイント
- 山本良一・東大名誉教授は30年以上、地球環境問題を論じてきた
- 教授が「温暖化地獄」を提唱して20年近くになるが、状況をどう見るのか
- 山本教授は「すでに世界は温暖化地獄の2丁目に来た」と言い切った
地球の気温上昇が止まらない中、東京大学の山本良一・名誉教授は「温暖化地獄」を提唱するなど30年以上にわたって環境問題を研究してきた。当時は「温暖化地獄の1丁目はすぐそこに」と警鐘を鳴らした山本教授は、いま、「世界は温暖化地獄の2丁目に来た」と言い切る。(聞き手・オルタナ輪番編集長=池田真隆)

東京大学名誉教授
茨城県水戸市生まれ。1969年東京大学工学部卒業。 74年同大学院工学系研究科博士課程修了、工学博士。 74年ドイツ、マックスプランク金属研究所客員研究員、 89年東京大学先端科学技術研究センター教授、 92年同生産技術研究所教授、2010年東京大学名誉教授。 2021年東京都公立大学法人理事長。日本エシカル推進協議会名誉会長、気候非常事態ネットワーク発起人代表。 専門は材料科学、エコマテリアル、エコデザイン、LCA、 環境マネージメントなど。
――山本先生は2007年に著書で「温暖化地獄」と形容されました。地球温暖化の深刻さはどのような段階にありますか。
2007年に『温暖化地獄(ダイヤモンド社)』を出してから、温暖化に関する研究は世界中で進みました。23カ国160人以上の科学者らは2025年末、報告書「グローバル・ティッピングポイント2025」を発行しました。
この報告書で、「温水サンゴ礁」が世界で初めて気候の「ティッピングポイント(不可逆な変化が始まる限界点)」を超えたことが分かりました。
温水サンゴ礁とは、主に熱帯や亜熱帯の浅く暖かい海域に形成されるサンゴ礁のことですが、海水温の上昇は、サンゴ礁の白化や死滅につながります。
温水サンゴ礁以外の主要な気候のティッピングポイントである、「南極・グリーンランドの氷床」「アマゾンの熱帯雨林」「大西洋熱帯循環」などについては、「1.5℃超過に伴い、突破する危険域に急速に接近している」と警告しました。
これは非常に重大です。地球の気候システムが、これまでとは異なる状態へ移行し始めている。私は「温暖化地獄の1丁目を過ぎた」と考えています。今はまさに「2丁目に入った」ところです。
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