記事のポイント
- NPOの調査で、オスひよこの殺処分について8割が知らない実態が判明
- 代替技術は存在し欧州では活用が進んでいるものの、日本では導入進まず
- 調査では、問題認知後は代替技術の活用や法規制への支持が7割超に
認定NPO法人アニマルライツセンター(東京・渋谷)はこのほど、オスひよこの殺処分に関する消費者意識調査を実施した。殺処分への認知度は約2割にとどまり、約8割が知らない実態が判明した。殺処分を避ける代替技術は存在し、欧州では活用が進む一方、日本では導入が進んでいない。だが調査では、問題を知った消費者の7割超が代替技術の活用や法規制を支持することが分かった。(オルタナ編集部・川原莉奈)

日本の採卵鶏産業では、卵を産まないオスひよこの多くが孵化(ふか)後まもなく殺処分されている。一方、孵化前の段階で性別を判別する「卵内雌雄鑑別技術」を利用すれば、殺処分を避けることが可能だ。
こうした背景を踏まえ、認定NPO法人アニマルライツセンターは全国の一般消費者1144人を対象に、オスひよこの殺処分と卵内雌雄鑑別技術に関する意識調査を実施した。
その結果、オスひよこの殺処分について「知っていた」人は19.9%にとどまり、80.1%が「知らない」実態が明らかになった。
一方、殺処分の現状と同技術の説明を受けた後は、同技術の活用を支持する人が74.0%、法規制を進めるべきだとした人は69.9%に達した。さらに73.9%が「殺処分のない卵」の購入意向を示し、10個入り1パック当たり10円以上の追加支払いを許容する人も70.2%に上った。

フランスやドイツ、イタリアなどでは、殺処分を禁止する法規制や同技術の導入が進む一方、日本では実用化が進んでおらず、消費者がこうした卵を選択できる環境はほとんど整っていない。
同法人は、課題の本質は消費者の関心の低さではなく「情報接触の不足」にあると分析する。適切な情報提供が消費者の理解や判断を支えるとした上で、小売・食品企業には技術の倫理的意義の周知や試験販売などを通じた需要把握を求めた。あわせて行政に対し、事業者の移行を支える設備投資支援や、社会的合意の形成を含めた段階的な法整備を提言している。
【調査概要】
調査名:オスひよこ殺処分・卵内雌雄鑑別技術に関する消費者意識調査
調査方法:インターネットアンケート
調査対象:日本全国の一般消費者
調査期間:2026年7月1日~7月3日
回答者数:1,200人
有効回答数:1,144人
有効回答率:95.3%
分析方法:データ品質確認設問に正しく回答した回答者を有効回答として集計
調査実施主体:認定NPO法人アニマルライツセンター
調査協力・調査会社:株式会社マーケティングアプリケーションズ
備考:各数値は小数点以下の処理により、合計が100%にならない場合があります。



