オルタナ85号「アクティビストとESGと企業価値」(6月30日発売)

オルタナ85号(2026年6月30日発売)の全コンテンツは次の通りです。
書店では販売しておらず、WEBストア(BASE)やアマゾンでご購入可能です。

■「alternative eyes」: 「会社は誰のものでもない」
オルタナ85号(2026年6月発売号)をお届けします。今号の第一特集は「アクティビストとESGと企業価値」です。この数年、アクティビスト(モノ言う株主)による株主提案が一気に増え、その存在感を増しました。これを機に、アクティビストと企業について考えてみました。

■高橋さとみの切り絵ワールド—言葉なくとも

第一特集: アクティビストとESGと企業価値
日本ではアクティビストを「モノ言う株主」と訳す。その妥当性は別として、この20年間で存在感は大きく増した。かつての日本で目立ったのは「村上ファンド」など少数だったが、最近では「オアシス」「ダルトン」「エリオット」など、機関数も提案件数も急速に膨らんだ。アクティビスト増殖の背景を探った。

■パッシブ投資家、協働でモノ申す
山崎 直実・一般社団法人機関投資家協働対話フォーラム代表理事 事務局長
アクティビストの活動は注目を集めるが、パッシブ運用の機関投資家もスチュワードシップ・コードに則り、企業と建設的な対話を重ねている。一般社団法人機関投資家協働対話フォーラム(IICEF)の山崎直実代表理事・事務局長に話を聞いた。

■株主権が強いほど企業改革が進む
松原 稔・りそなアセットマネジメント常務執行役員
花王はアクティビストファンドのオアシス・アセットマネジメントから、サプライチェーン課題について株主提案を受けた。オアシスの提案は否決されたが、アクティビストからの要請にどう向き合うべきか。りそなアセットマネジメントの松原稔・常務執行役員に聞いた。

■価値創造を示せば投資家を選べる
水口 剛・高崎経済大学学長
ESG課題を切り口に企業変革を迫る「ESGアクティビズム」は日本で本格化するのか。ESG投資研究の第一人者である高崎経済大学の水口剛学長にアクティビストファンドへの対応方法や、長期投資家との向き合い方について聞いた。

■株主を味方に経営の質上げる
高岡 浩三・ケイ アンド カンパニー代表取締役社長
アクティビストの存在感が、日本企業で急速に高まっている。背景にあるのは、低い資本効率や形骸化したガバナンスなど、日本企業が抱える課題だ。企業はアクティビストとどう向き合うべきか。2020年までネスレ日本で社長を10年間務めた高岡浩三・ケイ アンド カンパニー社長に聞いた。

■デモより議決権、NGOは株主へ
この10年間で、環境NGOによる気候株主提案が広がっている。欧州や米国では投資家と連携し、企業に脱炭素を求める動きが定着。その流れは日本にも波及している。NGOはデモを行う反企業的な存在から市場参加者へ、役割を広げつつある。

■トップインタビュー: AI時代の経営、尊厳と信頼が核に
永島 英器・明治安田生命保険社長兼CSuO
明治安田生命保険は2026年4月、新たにCSuOを設置し、永島英器社長が兼務する体制へ移行した。その背景には、AIの急速な進展など、経営課題の複雑化がある。永島社長は「便利さの先で失われかねない人間の尊厳や信頼を守ることが経営の役割」と語った。

■トップインタビュー: 地域の情緒的価値、伝えるのが使命
山本 健策・スーパーホテル代表取締役社長
国内外180店舗を展開し、コロナ禍を乗り越えて過去最高売り上げを更新するスーパーホテル(大阪市)。従業員満足度の向上に注力しながら業績を伸ばしてきた。山本健策社長は、地域の課題を解決し、「情緒的価値」を提供できるホテルの将来像を描く。

■スペシャルインタビュー: 日本の女性活躍、量より質の転換へ
キャシー松井・MPower Partners Fund LP. 共同創設者兼ゼネラル・パートナー
長年、ジェンダーギャップランキングで低位に位置してきた日本。しかし近年、企業は女性取締役や女性管理職の登用に注力し、政治の領域でも25年には日本初の女性首相が誕生した。ジェンダーギャップ解消に向けた日本の現在地と、組織におけるDEIの重要性について、ウーマノミクスの提唱者として知られるキャシー松井氏に聞いた。

■世界のソーシャルビジネス
[米国日本の若手起業家、米で働き方改革
インターネット回線やオフィスチェアなどを完備した「リモートワーク対応住宅」が米国で広がる。火付け役は、米スタートアップのAnyplace(エニープレイス)で、創業者は日本の若者だ。Uber(ウーバー)の初期投資家ら有名投資家から出資を受ける。

[タイ]持続可能な未来、バンコクで触れる
タイ・バンコクの流行発信地サイアム地区で、2025年11月に持続可能な未来都市をテーマにした体験型商業施設「ネクストピア」が開業した。海洋ごみを活用したアート展示のほか、環境配慮型の小売店・飲食店などが集積する。観光都市バンコクから「より良い世界をつくるコミュニティ」の形成を目指している。

[デンマーク]全市バス電化で気候ポジティブへ
26年3月29日、デンマークの首都コペンハーゲンは、市内を走る全42路線のバスを電気バスに切り替え、公共バス交通の完全電化を達成した。・市は今、2035年までに吸収量が排出量を上回る「気候ポジティブ」を目指す。

■第二特集: ホムルズ危機はESGの追い風か
2026年2月、米国とイスラエルによるイランへの大規模攻撃に端を発したホムルズ海峡の事実上の封鎖は、世界がいまだに化石燃料に依存していることを思い知らせた。多くの国は、危機対応の一環で供給面では再生可能エネルギー拡大、需要面では電気自動車(EV)普及などの対策を急いでいる。だが、最も影響を受けている国の一つである日本は、化石燃料の安定確保だけに奔走し、逆相ぶりが際立っている。

■第三特集: 地球に優しいはGウォッシュに
環境省は2026年3月末、景品表示法における「環境表示ガイドライン」を13年ぶりに改定した。背景にあるのは、世界的に強化が進むグリーンウォッシュ規制だ。「地球に優しい」という表現も根拠を示せないとグリーンウォッシュになるリスクがある。

■第四特集: 太陽光リサイクル、責任は生産者に
2030年代から国内で大量の使用済み太陽光パネルが発生し、新たな廃棄物問題を引き起こすリスクが高まっている。こうした状況を受け、25年5月に太陽光パネルの再資源化に特化した初の法律が成立した。今後は具体的な制度設計に移るが、リサイクルに実効性を持たせるには、責任主体の明確化やコストの是正、回収網の構築といった課題をクリアする必要がある。

■第五特集: 大西洋の海流に異変
大西洋の巨大な海流循環「AMOC」の崩壊リスクを示す研究が相次ぐ。仮に崩壊すれば南極海が炭素の吸収源から放出源に転じ、世界の気温は急速に上昇する恐れがある。欧州は逆に寒冷化する可能性があるほか、米東海岸の海面上昇も現実味を帯び、食糧輸入に依存する日本も無関係ではいられない。

■第六特集: ニッケルに人権リスク
電気自動車(EV)バッテリーに不可欠なニッケルの需要拡大を背景に、特にインドネシアなどで採掘が急増している。ニッケル採掘に伴う森林破壊や人権リスクへの懸念が高まる中、欧州の投資家は、自動車メーカーや電池メーカーに対し、環境・人権デューデリジェンスの強化を求めている。

■オルタナティブの風(田坂広志) AI時代に活躍する人材の条件
筆者は、現在、全国17校に1万名の学生が集う学園を預かっているが、この教育業界で、近年、重要な話題になっているのが、「急速に進展するAI革命の結果、活躍する人材の条件は、どう変わるのか?」である。

■エゴからエコへ(田口ランディ) AIに理解できない「無意識の悪魔」
「オラクルカード」の解説をすべてAIに読み込ませ、AIにカードリーディングをさせている、と友人が言う。面白そうなので、AIの占いを受けてみた。

■サステナ規制にどう向き合うのか(小口誠司) 中堅上場企業こそ情報開示を
2026年4月、SSBJ基準の運用が始まり、東証プライム市場の大手企業から、サステナビリティ情報の開示が本格化した。

■真のサステナビリティ投資とは(澤上篤人) アクティビスト、いまが絶頂か
世界の金融マーケットは米国株市場を中心に、1982年8月から40年を超す史上最長の上昇トレンドを続けている。その中でも、世界的なカネ余り現象が、2008年9月に発生したリーマンショック以降一気に加速した。それが世界の株式市場をはじめ金融マーケット全般を大きく押し上げてきたわけだ。

■モビリティの未来(清水和夫) 自動車の終わり方を問う時代に
最近のバッテリーEVの覇権争いは激化している。大きなバッテリーとパワフルなモーターで、従来のエンジン車では果たせないような加速性能を繰り広げている。

■日本農業 常識と非常識の間(徳江倫明) 常識を覆す未来の畜産を見た
京都府綾部市の休耕水田などで豚の放牧に取り組む氏元長一くんに久しぶりに再会した。

■「森を守れ」が森を殺す(田中淳夫) 樹齢何年で伐採すべきか
林野庁は、人工林の伐採時の樹齢(伐期)を40年としている。少なくとも60年までに伐採すべきだとする。その理由として「森林のCO₂の吸収は植えて40年頃にピークを迎え、その後は加齢とともに低下する」ことを挙げる。

■人と魚の明日のために(井田徹治) ウナギの「豊漁」は喜べない
昨年から今年初めにかけての漁期は、ウナギの稚魚のシラスウナギが「豊漁」だったため、かば焼きの価格が安くなっている。中国産の輸入ウナギの価格が2—3割値下がりし、国産ウナギにも価格低下の傾向が見られる。

■フェアトレードシフト(潮崎真惟子) 米欧、強制労働産品に港閉ざす
強制労働産品を市場から排除する包囲網が米欧を中心に広がり、人権対応はもはや市場アクセスの問題となりつつある。2025年12月、セルビアで製造されたタイヤが、強制労働の懸念から米国港で差し止められた。

■社会イノベーションとお金の新しい関係(鵜尾雅隆) 「共助と成長」が社会を変える
経済同友会が2026年4月の通常総会で打ち出した活動方針「共助成長社会」をご存じだろうか。そこでは「国際情勢の変化が激しい中でも自律性を高く保ち、人々が互いに助け合い、一人ひとりに居場所と活躍の舞台があり、その結果として幸せを感じられる社会」、そして「世界中の人材や資本を惹きつける力のある経済社会」の実現を掲げている。

■論考・サーキュラーエコノミー(細田衛士) 「技術立国日本」の落とし穴とは
明治維新の「富国強兵、殖産興業」以来、日本は西欧列強の先進技術を積極的に取り入れ、国を富ませることを国是としてきた。そのお陰もあって、国は大いに栄えた。

■欧州CSR最前線(下田屋毅) CSDDDと責任ある調達
欧州のCSDDD(企業サステナビリティ・デューディリジェンス指令)は、企業に対し、自社だけでなく子会社、取引先を含むバリューチェーン全体における人権・環境リスクの特定、防止、軽減、是正を求める制度である。

■「こころざし」の譜(希代準郎) だらだら坂のお富さん
住宅街の外れにある私のアパートにたどり着くにはだらだらとどこまでも続く長い坂に耐えなくてはなりません。週に一度の買い物の帰りには、昔から坂の手前に置いてある年代物のイスに座って休むことにしている。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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キーワード: #ESG

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